食器棚の選び方

今回は、食器棚の選び方についてお伝えしたいと思います。食器棚は、お客様のご要望に合わせて、オーダーで作るときもあれば、既製品をご案内することもあります。目安として、既製品だと 20万〜、オーダーでつくると 40万〜の金額差があります。

もちろん、サイズによって価格が変わります。オーダーの方は、既製品に比べて割高になります。例えばどのようなレールを使うかによっても、数千円から数万円の差になります。オーダーのメリットは希望に合わせて形をカスタマイズできる事です。特に変形した場所であればオーダーでないとつくれない場所もあります。既製品のメリットはなんといっても価格でしょう。同じ形のものを作ったら、既製品の価格にはかないません。ただ選べる形色には、限りがあるので何かに合わせた良いこのような形にしたいと言う要望があるのであれば、オーダーを検討されると良いでしょう。

例えばこちらは、キッチンとのスペースが広くはないので、なるべく奥行を浅くしました。

こちらの物件は、梁があるので、梁型に合わせて収納を変形させました。

この物件は、奥行が深い部分があったので、一部奥行を深くしてつくりました。

キッチンの面材に合わせて、扉を選んだ事例です。

このように、既製品では対応できないものは、オーダーで作るメリットがあります。次に、既製品の食器棚の選び方についてお話します。

既製品の食器棚の選ぶポイント

1 色・柄・光沢は、どのように選ぶか

色、柄はリビングからの見た目を優先する

セミオープンのキッチンやオープンキッチンが最近多いので、そのようにリビングから見えるキッチンの場合の色は、リビングからの見た目を優先させます。リビングからはキッチンの色が見えないのであればなおさら、リビングでくつろぐ時間の見た目を重視しましょう。キッチンの色は考慮に入れながら、同じでなくてもいいのです。明るく見える方が良ければ、明るい色を選びましょう。

表面の仕上げは、雰囲気で選択する

表面の光沢あり、なしについては、リビングが落ち着いた雰囲気にしたいのであればマットなもの。モダンでカッコよく見せる、リビングにもガラスや光沢のある家具を使っているなら光沢のものが合います。お手入れのしやすさからいうと、光沢のあるものの方が凸凹が少ないので掃除がしやすいと言えますが、メラミンなどであればさほど気にせずに選んでも問題ありません。塗装仕上げのものは、塗膜によってデリケートなものもありますので、お手入れ方法についても販売会社に確認して選びましょう。

2 形、デザイン

どのような家電を置くか

私は食器棚の形を考えるときに重視しているのは、どのような家電を置くか、今後置きたいかということです。時短家事や家事効率化には、調理家電が欠かせません。今後もっと良い調理家電が出てくることでしょう。それを使うためには、それらが置けるスペースが必要です。

家電の取り扱い説明書や商品パンフレットを見ると、設置場所について書かれています。置きたい家電を置くためのスペースがどのぐらい必要か、知ることが大事です。例えば、私の持っているオーブンレンジだと本体から上は、高さ10cm以上開けてくださいと書かれています。設置基準を守ることは、火災や機器のトラブルを防ぐためにも重要です。しっかり確認しましょう。特に既製品の場合、上の戸棚の位置が低いものも多いので、注意が必要です。自分の置きたい家電が置けるか確認してください。

棚下の素材

さらに、棚の下の素材も確認しておきましょう。例えば蒸気が上がるものだと、水蒸気の中に油や調味料も混じっていますので、蒸気と一緒に汚れもつきます。炊き込みごはんを炊くと、炊飯器の上の棚が茶色に汚れます。なので、吸湿性のものより、拭ける素材がおすすめです。オーダー家具で作る場合、上の吊戸棚の取り付け位置やサイズによっては、拭き掃除がしやすいようにメラミン化粧板を貼ることもあります。

使いやすい位置に使う頻度が高いものが置けるか

頻繁に使う家電であれば、なるべく安全に使いやすい位置に置きたいものです。物理的に使える高さが限られるので、優先順位をつけて位置を考えていきましょう。

炊飯器を置くようなスライド天板の収納が既製品の食器棚によくついています。スライドできるのは、蒸気が出るときにスライド天板を引き出して使う設定です。そのため炊飯器を使うときには、引き出しを出さないといけないので、狭いキッチンの場合には邪魔です。個人的には、使う時に出すのが面倒なこと、出っ張ってぶつかる可能性があるため、スライド式の家電置き場はあまりおすすめしていません。特に小さいお子さんがいる場合は危ないので、実際にあっても使ってない人が多いです。

家電とともに、食器類の収納位置も考えます。食器は重さもあるので、戸棚の上の方は使いづらいです。吊り戸棚下の方を使ったり、引き出しに入れます。使う頻度が高いものを優先して、位置を検討しましょう。場所に限りがあるため、どうしても置けないようなら、来客時の食器などは別の場所に置くのも手です。

ゴミ箱の置き方

置き場所に悩むのがゴミ箱です。個人的には引き出しの中に入れず外に見えている状態の方が、掃除がしやすくお手入れも楽です。どのサイズのゴミ箱を、いくつ置くかで必要の収納のスペースが変わってきます。既製品の場合だと2個ぐらい置けるものが多いのではないでしょうか。ゴミ収集の日、マンションはいつゴミを捨てていいかに合わせて、ゴミ箱の量を考えましょう。場所が足らない場合は別のスペースにゴミ箱を置く必要があるかもしれません。

3 壁に固定する方法も合わせて検討する

食器等で必要だと思っていることを壁に固定することです。背が高いもの倒れるます。また、免震構造のマンションは揺れるので、家具が倒れる可能性が高くなります。キッチンだと、生命の危険は少なくかもしれないのですが、食器棚が倒れると中に入っている食器が割れ復旧が大変ですし、割れたもので怪我をするかもしれません。ですので、なるべく倒れないように対応を考えましょう。

そのため、キッチンの食器棚は、できるだけ壁に固定するようにしましょう。既製品でも金具をつけて固定することもできます。賃貸などで壁に固定できない場合は、突っ張り棒などをして家具が倒れにくい状況をつくります。既製品の家具では、つっぱるようなユニットや収納を付けることができるものもあります。自身はどのような揺れが来るかは予測できませんので、対策も含めて食器棚を検討しておきましょう。

コンセントの使い方も重要です。こちらも合わせてご覧ください。

下のような本を出しています。何か家具を買うときに参考にしてください。