スウェーデンの働き方やりなおしがきく教育

先週スウェーデンに訪問しました。目的は、スウェーデンの人の暮らし方や仕事の仕方を、実際に住んでいる人にインタビューしながら学ぶことでした。色々と気付きがありましので、少しずつ整理しながらお伝えできればと思います。

目次

スウェーデン、生産性が高く、働く女性の割合が高い、やり直しのきく教育

一人当りのGDPは、日本の1.3倍

まずスウェーデンという国ですが、正式名称スウェーデン王国(首都:ストックホルム)人口約1,012万人(2017年) 日本は、1億2649万人。(日本の0.08倍)で、国土は約45万平キロメートル 日本は37万平方キロメートル(日本の約1.2倍)です。そしてGDPは、5,114億ドル(2016年・外務省HP参照)日本は、49,474億ドル(2016年・内閣府HP参照)

一人あたりのGDPで比べると、スウェーデンは53,217ドル 日本38,439ドル
スウェーデンの1人当たりのGDPは、日本の1.3倍!(http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpdpc.html参照)です。
単純な比較ですが、GDPにおける生産性の差がわかります。

専業主婦の割合2%

そして興味深い数字は、20才から64才までの女性労働人口に占める専業主婦の割合は、2%(日本38%)。女性の平均就業率も日本より16%高く、男性の育児休暇取得率も90%(2014年)。
(参照:https://style.nikkei.com/article/DGXNAS21U3F01_Y4A610C1TY5000)

でも、もともとは日本と同じように、女性が結婚して家庭に入り、子育てをするというのが一般的だったようです。労働力を確保する必要があり女性が働きやすいように、1960年ごろから家電の活用やインスタント食品を利用して家庭の労力の軽減を啓蒙したり、育児制度を充実させたようです。税金も夫婦合算から個人単位の課税に変更され、働く方が良いという環境が整備されてきました。育児休暇も所得補償がついていて、470日あり、完全に休むのではなく、75%、50%など働く時間を選べ、短縮した分の所得補償を受けられるそう。
また、こどもが小さいときには、女性はパートタイム労働をしている割合が高く。男性よりも女性の割合は高いそうです。でもこのパートタイム日本とは少し違います。

なおこどものいる女性の多くが選択するパートタイム労働は、正規雇用である。フルタイム労働との違いは、基本的に労働時間の長さだけであり、社会保障や雇用に関する権利は同じである。

引用:スウェーデンモデル 岡澤憲芙・斉藤弥生著

同じ条件で、時間を短くして働くことも選択できるというのは、いいですよね。

やり直しのきく教育

スウェーデンでは、学ぶ機会のハードルが低いです。

とくに費用について、コミューンの提供するプログラムも含め、大学院まで教育機関の授業料は、基本的に無料であり、生活費を借りることもできる。

引用:スウェーデンモデル 岡澤憲芙・斉藤弥生著

 

また労働者には教育を受けるための休暇が認められているということ。新たなキャリアを築くこともしやすい環境だと思います。学び直し、そしてやり直しがきくというのは、すごいことだと思います。日本だと、学科を選ぶと他のところに移動するのは大変ですし、また働き始めてから、学び直しの必要性を感じたときも費用を考えなくてもよければ、選択の幅が広がりますよね。やり直しのきく教育というのは素晴らしいと思います。

 

心身の健康を考え取り組んでいること

 

 

スタンデングデスク普及率90%

さて今回の旅では、ヘッドハンティングの会社に訪問しました。スウェーデンでは、スタンディングデスクの普及率が90%以上だそうです。訪問した会社は、国からの補助ではなく、社員の健康のためにと自主的に購入したそうです。
経営者の方は、「IKEAだから高くないしね」と言われていました。「会社が社員につくすこどえ、社員が会社に貢献してくれる。」とも言われていました。

そのスタンディングデスク、会社訪問したときには、みなさん椅子に座っていたのですが・・・。本当にみなさん使っているの?という質問には、「強制されることはなく、人それぞれ。」というお返事。自主的にですが、お昼の3時~3時半は、社員の方で声を掛け合い、立って仕事をする時間にしているそうです。

自主的な活動

その他健康やリフレッシュにとても気を付けていて、会社の仕事が終わってから会議室の机で卓球をしたり、始業前に近くの川で、スタンディングボードで遊んだりという交流も自主的にあるそう。「会社のメンバーと一緒に活動は嫌ではない?」という質問にも、強制ではないし、特にやりたいからやるという感じ。上司との関係も対等で、とても雰囲気のよい会社でした。

健康であるための環境が整えられているだけでなく、3人の社員の方にお話しを伺いましたが、それぞれ毎日や2日1回などジムに通ったりということもされていました。実はスウェーデンは、うつになる人の割合が高いそう。また4人に3人は心の病をもっているそうです。冬は日照時間も短く寒い環境で、心身の健康を保つように皆さん心がけていると思いました。

FIKA

スウェーデン人が大事にしているのは、FIKA(フィーカ)という、お茶タイム。甘いお菓子と一緒に楽しむことが多いようです。
こちらの会社では、べランダの外の椅子に座ったり、ソファに座ったりして、FIKAを楽しむそう。今回の訪問時も甘いシナモンのパンをごちそうになりました。コーヒーを飲みながらインタビューの時間がありました。
スウェーデン人は、このFIKAをとても大事にしています。休みをとるというだけでなく、コミュニケーションの機会にもなっているようです。

自由な働き方を選べる

今回この会社では、従業員3人と経営者の方4人にお話を聞くことができました。特に印象的だったのは、2人のお子さんがいる男性の方。週に1回働くということを選ばれていました。転職する時に、お金はもちろん、どのような働き方ができるか、休暇をどう取れるかを交渉するのだそうです。転職を決めたポイントは、経営者とフィーリングが合ったからだそうです。他の方も、会社の雰囲気が気にいってというお話もありました。他の2人も転職してこの会社へきたということ。転職は、新しい働き方ができる機会なんだと思いました。

この会社、従業員19人の中、3人が育児休暇中とのこと。2年間休んで、オーストリアに行っている?という人も。気になることは、その間仕事はどうなるの?ということ。「その間どうするの?」と質問をすると、期間限定で人を雇うそう。スウェーデンでは、新卒採用が無いので、そのような機会を活用して仕事に就く人もいるようです。それがきっかけで、正式な採用になることもあるということでした。
印象的だったのは、「会社が社員につくすことで、社員が会社に貢献してくれる」という経営者の言葉。日本の企業に対しても、長期的なビジョンをもっていることは学べるということを言われていました。男女ともに育児休暇をとる権利が2年あるということもあると思いますが、会社もいい社員に来てもらえるように、健康に活動できるように工夫されていることが子育て世代に働きやすい環境になっているのではないかなと思いました。

制度的に日本とは違い、より働きやすい学びやすい環境があるように感じました。制度の違いはあり、日本ではまだ実行が難しいこともありますが、自分の生き方を考えて行動に移すということは大事だなと思いました。いろいろな国に行き、いろいろな人をみて話してみると、自分が当たり前だと思っていたこと、できないと思っていたことも、実は違う見方をすることができるかもしれないということに気づきます。

スウェーデンでは、女性の議員の割合40%と高いです。政治に関心を持っている人も多く、選挙の投票率も男性74%に対して女性は84%と高いです。一人一人が政治や社会への関心を持ち、女性の役員、政治家が増えると日本も変わるスピードが上がるのでは?と思いました。

ブログで、スウェーデンでびっくりしたことと、おみやげのお話しを書きました。
よければ見てください。
https://www.racrea.com/archives/1406
https://www.racrea.com/archives/1446

スウェーデンのことを調べるのに読んだ本です。

スウェーデンが見えてくるの方は、外交の現場のお話しも交えているので、読みやすいです。スウェーデンモデルは、より詳しくデータを見ることができました。どちらも、スウェーデンを深く知ることができます。

この旅行は、インテリアコーディネーターの香取美智子さんが企画されていた、北欧の暮らしをめぐる旅2018年夏「北欧の働き方・暮らし方・子育てを知り、自分らしい生き方を求めて」に参加した体験をもとに、書きました。香取さんのすばらしい旅の企画のおかげでとても充実した時間を過ごせました。