アートを飾るコツ アートの高さは部屋の過ごし方で決める

1. はじめに

アートは、アートとしての価値もありますが、お部屋の装飾としても効果が高いです。資産として価値の高いアートは、飾って楽しむというのが難しいと考えています。家の中は、アートにとっていい場所とは限らないからです。

部屋に飾るアートは、家の中で楽しみたいを満足させてくれるアートだと思っています。それでは家で楽しむために、どのように飾るといいかお伝えします。

訪問アドバイスで、お住まいにお伺いしてインテリアのアドバイスをさせていただくことがありますが、意外とアートを飾る高さについてお話する機会が多いです。

2. 部屋の過ごし方とアートの高さ

アートを飾る高さは、どこからそのアートを楽しむかという視点で位置を決めることです。その作品を立って見るのか、それとも座った姿勢で見るのか、鑑賞者との位置関係で決めるのをおすすめします。

例えば教会の中を思い出してみましょう。教会の十字架や宗教画などは見上げる位置に飾られているのではないでしょうか。顔を上に向けて見上げるような姿勢は、崇高な存在を見る気持ちにさせます。もし、そのような意図がないようであれば、目線を上げてみるような位置は避けましょう。自分の目線と同じ高さにするか、その作品を見る位置に合わせた高さがおすすめです。

たとえば、写真はお客様のところに行ったときの写真です。立って見ると違和感が無い高さなのですが、ソファでくつろぐことを考えると、高さが高いと感じました。

なので次の写真のように高さを下げることを提案しました。ソファに座ったときに感じる印象が変わったとお客様からもお話をいただきました。ちょっとした差なのですが、絵の位置によって心理的な印象も変わってきます。

3. アートを飾る際のその他の考慮事項

リビングだとソファに座った位置からの高さ関係で考えると良いですが、他の部屋ではどうでしょうか。

ダイニングルームはソファのときより視線が上になります。ダイニングテーブル近くに配置する場合は、ダイニングテーブルとの位置関係で高さのバランスをとることになります。先程と同じように、視線が上の方にならないようにと考えると、テーブルに近い位置になると思います。

ダイニングで気を付けたいのは、食事をする場所なので、何か手違いで汁が飛んだりする可能性があります。そのようなときに作品が傷つかないように、ダイニングに飾る作品は、必ず額装しているものがおすすめです。

額があることで、作品が守られます。余談ですが、ホテルやレストランなど汚れやすい場所の作品は、表面にコーティングをしているものも多いです。

アートを飾りやすい場所のトイレも、意外と埃がたまりやすいので、額装しているものがおすすめです。

4. まとめ

アートを飾るときには、高さの位置についても、部屋の過ごし方や、どこから見る作品かということを考えて決めましょう。写真のようにピクチャーレールを使っているなら、何段か高さを変えてみてみると良いでしょう。

もし金具を壁につけるのであれば、高さを試してみるということができません。家族がいるのであれば、誰かに持ってもらって位置を決めるのもいいですが、取り付け高さをしっかり決めたい場合は、作品の大きさに切った紙を壁にマスキングテープなどで仮止めしてみて位置関係を確認すると安心して取り付け位置を決めることができますよ。