家の中がみるみるヒュッゲになるもの

こんにちは、中西です。先週「北欧インテリアセミナー ヒュッゲを暮らしに取り入れる」をしました。40名以上の方に参加いただいて、嬉しかったです。今日はそこでお話した内容について、書きました。

「HYGGE 365日シンプルな幸せの作り方」マイク・ヴァイキング著の本に、家がみるみるヒュッゲになるもの10個が取り上げられていました。
HYGGE という言葉は、デンマークの言葉で、居心地よさ、温かみ 一体感を表します。とにかくこのHYGGEという言葉をよく使うそうです。そこに幸せのヒントがあるという内容が本に書かれていました。

ヒュッゲなスペース 自分がほっとできる場所
暖炉
キャンドル
木でできたもの
森まるごと 木の実、葉っぱ、小枝、動物の毛皮

陶磁器
触感
ヴィンテージ
ブランケットとクッション

これを私なり解釈して、家の中がヒュッゲになるポイントをお伝えしたいと思います。

ヒュッゲなスペース・・・空間
暖炉、キャンドル・・・光
本、ヴィンテージ・・・家時間を豊かにするもの
感触の良いもの、ブランケットとクッション、陶磁器、森まるごと、木でできたもの・・・五感を刺激するもの

今日は、その中の空間と光について、お伝えします。

空間

皆さんは、自分がほっとできる場所、1人時間を楽しめるスペースを家の中に作っているでしょうか。北欧では、冬の間、家で過ごす時間がとても長くなります。その家で過ごす時間をいかに豊かにするか、居心地よくするかに貪欲です。

自分時間を過ごせる場所を作ることで、家の中で1人でいる時間を心地よく過ごせます。部屋でなくても、部屋の片隅でもいいので、ちょっとお茶を飲んだり、本を読んだりできるお気に入りの場所を持ちましょう。

狭くても、椅子やクッションを置いて、気持ちよく過ごせる場所なら、そこがヒュッゲな場所になります。自分の時間も大切にしていきましょう。

光は、暖炉やキャンドルなど、ほっとするような暖かな光を使ったり、ほっとするような場所を光で演出します。

レストランやホテルなどで、光が集まっているような「光だまり」のある場所を見たことはないでしょうか。また、そのような場所で過ごしたことはありますか?その時、どのような気分になったでしょうか。

光は高価な器具でなくても、演出効果は高いです。光をどこに当てるか、どこを明るく見せるかを考えて配置します。光は、空気に当てても明るくなりません。壁や天井、床、家具などものに当てることで、明るさを感じます。

暖炉もろうそくも、私自身とても憧れるアイテムです。暖炉は、おける場所は限られますし、手入れも面倒です。電気のフェイクのものもありますが、場所も必要です。ろうそくは火事も怖いですし、小さな子供がいると危ないのではないかと心配になります。

なんとかろうそくの光のような、暖かな感じを部屋の中につくれないかと考えました。色々試行錯誤して、ダイニングに光だまりを作るということに落ち着きました。

光だまりは、ただダイニングテーブルにペンダント照明を持ってきて、照らすというだけではできません。日本の住まいの照明計画は、均一に明るい部屋を作るようなものが多いです。そのような照明配置では、効果的な光だまりを作ることができません。

光だまりを作るには、ダイニングの周りの暗さも必要です。ダイニングの周りは、薄暗くし、ダイニングの光の明るさが見えるようにします。
光がぽーっと集まっている場所を見ると、そこに近づきたくなります。人は、光に引き寄せられます。家族や友人が集まって過ごす場所、スペースに、光だまりを作り、そこに長居したくなる場所にしましょう。

暗くなりすぎるのではないか、という不安も大きいでしょう。でも、文字を読んだり、食事をしたり、何か作業をする場所に十分な光があれば、問題ありません。また、光でどこを照らすか上手く計画すれば、部屋が暗くなりすぎることはありません。
暗くなる不安があるようなら、調光機能がある器具を使い、暗くしてみて試しながら過ごしてみてください。

その状況に慣れれば、今までが明るくしすぎたのではと気づくのではないでしょうか。適度な暗さと明るさを演出することで、入眠のリズムも整います。明るすぎると眠気のタイミングがずれます。

私は、全体としては薄暗く、間接的な明るさに慣れてしまったので、外出時に明るすぎる照明に疲れてしまいます。ホテルで過ごすのが好きな人、くつろぐと感じる人は、家の中の明るさが明るすぎないか見直してみましょう。

家時間を豊かにしてくれるもの

本は、読むと、色々知らないことを知ることができたり、違う世界に出かけている気分になったり、家の中で過ごしているのにも関わらず世界を旅することができますし、映画を見ている気分になったり、知識を深めることもできます。

ヴィンテージのものは、それがあるだけで、部屋に物語が生まれるアイテムです。そのものから、歴史や時間の流れを感じます。思い出のものも良いと思います。私は、縄文土器の破片を飾っています。知らない人がみたら何かの破片なのですが、私はそれを見て、縄文時代に誰かが作ったものだと思うと、長い時間の流れを感じることができます。

本やヴィンテージと著者は、書いていますが、 自分が好きなものを語るというのでいいのではないかと考えます。自分が好きなもの、自分の時間を豊かにしてくれるものを部屋の中に置く 、飾ることをしてみましょう。 見るたびに嬉しくなったり、 思い出が蘇ったり、いい気分になれば、家の中で過ごす時間がよりよい時間になります。

五感を刺激するもの

感触の良いもの、ブランケットとクッション、陶磁器、森まるごと、木でできたものと、本の中では紹介されています。色々なキーワードで紹介されていますが、これらは自分たちの五感に心地よいものというくくりで考えると良いと考えました。

森まるごとは、木の実コケなど森にあるものを飾りましょうと書かれています。なかなか外に出られない、そして家の中で過ごす時間が長いときに、外にいる気分を味わえるものです。コロナ禍で、お花を部屋に飾る人が増えたように思います。部屋の中にお花を飾ると、部屋の中が外とつながるような感覚が持て、視覚的に美しいだけではなく、花の匂いと嗅覚も刺激され、気分も変わります。

木でできたものは、日本では、多くの方が取り入れられているのではないでしょうか。木でできた家具で、丁寧に仕上げられたものは、 さわり心地がとても良いです。私は木の家具がとても好きです。コーディネートの提案で、無垢材のダイニングテーブルを提案することが多いです。なぜなら、無垢天板だと、経年変化が楽しめ、できてしまった傷も味になるからです。長く使えること、 そして長く使うことで味わいが深まることも魅力です。

木でできたものは見た目のナチュラルさとともに、 手触りや触感を刺激します。ダイニングテーブルは、体が触れる家具でもあります。無垢のテーブルに触れるたびに、滑らかな木肌がとても心地よいと感じます。

陶磁器は、自分の好きなもの、感触がよいものの両方のキーワードとしてでてきています。感触の良いものは、 触感、触り心地が良いものを家に置くことが書かれています。アイテムとして、さらにブランケットやクッションが紹介されています。

特に自分の体が触れるものについては、心地よい肌触りのものを選ぶと良いでしょう。この本には書かれていませんが、身体的認知という研究があります。私たちの身体感覚が、感情に影響を与えるという研究です。

私たちが体に触れているものを心地良くすることで、私たちの心理的な面にも影響を与えます。柔らかい布団に包まれていると安心するといった経験はないでしょうか。柔らかいものに降りていると気持ちが優しくなるという研究があるそうです。

この研究を知った時に、 私は自分の着る服、 座る椅子、体が触れるものについてはなるべく心地のいいものにしました。なぜなら、子ども小さく、毎日怒ることが多かったので、 少しでも気持ちが優しくなれればと考えたからです。効果はあった気がします。よければ試してみてください。

それでは、良い週末をお過ごしください。