インテリアコーディネーターが教える、出産前にできる 出産後にあわてないお部屋の整え方 3

つかまり立ちをするようになると、子どもの手の届く範囲が急に広がります。 視点が高くなり、子どもにとっては世界が広がる瞬間。とっても嬉しそうですよね。
でも親にとっては、成長を喜ぶ反面、少し複雑な気持ちにもなります。 今まで棚の上に置いておけば安心だったものが、だんだんと届くようになり、物を避難させる場所が限られてくるからです。「一体どこに物を置けばいいの?」と悩む時期の到来です。
今回は、そんな時期に備えた「安全対策」と「家具選び」の考え方についてお伝えします。
1.まずは安全第一!「物の住所」を変える
私自身が当時実践したのは、徹底した「配置換え」です。
- 子どもの手が届く低い場所には、あえて「子どものおもちゃ」を置く
- 「触られたくないもの」「危険なもの」は、棚の上や収納の扉の中、押入れへ避難
- リビングなど子どもが過ごす部屋には、「触っても危なくないもの」しか置かない
- とにかく余計な物を置かない
クリスマスの飾りなども、この時期は手の届かない場所を選んで飾るようにしました。 この時、扉付きの収納は活躍しますが、これも一時的なもの。ある時期が来ると子どもは扉を開けることを覚えてしまいます(笑)。「隠せば終わり」ではない、という覚悟も少し必要かもしれません。

2.グッズは増える一方!事前に「受け入れるスペース」を作る
子どもの成長に合わせて、モノは続々と増えていきます。
- 知育にいいかも…と買ったおもちゃ
- これがあると一人遊びしてくれる…というグッズ
- お出かけにあると便利なアイテム
「モノは増えるけれど、置く場所がない!」とパニックにならないための解決策はひとつ。「この時期はモノが増えるのは仕方がない」と割り切り、それを受け入れるスペースを事前に空けておくことです。
お客様の中には、子どもが大きくなるまで「ひと部屋をまるごと物置(収納部屋)」にされている方もいらっしゃいます。 もし部屋数に余裕がなくても、今のうちに「子ども用品以外の持ち物」を見直して、スペースを確保しておきましょう。それだけで、気持ちの余裕が全然違います。
「もう間に合わない!」という方も、今からで大丈夫。引き出し一つ、棚一段からでいいので、見直しを始めてみませんか?
3.お気に入りの家具はどうする?「ダメ」と言わない環境づくり
新築マンションを購入し、家具選びをされているお客様から「デザインが気に入ったので、ダイニングテーブルをガラス製にしたい」とご相談を受けることがあります。しかし、これから小さなお子様を育てる予定がある場合は、「購入を少し先にしませんか?」と提案させていただくことがあります。
子どもたちは悪気なく、無邪気にテーブルをコツコツ、ドンドン、ガンガン叩きます。おもちゃをぶつけることも日常茶飯事です。 そのたびに「ダメ!」「割れるからやめて!」と叱り続けるのは、子どもにとっても、親にとっても辛いですよね。なるべく「ダメ」という言葉を言わないで済む環境を作ること。 それが、楽しく子育てをするための近道だと私は考えています。
お気に入りの家具や繊細な飾り、グラスなどは、傷つかないように保護するか、一時的に別の場所へ移動させることをおすすめします。
最後に
「こんな時期が来るんだ」とイメージしていただくこと。 そして、その時期が来る前に、リビングやダイニングに置いているものを見直してみること。このブログが、そんなきっかけになれば嬉しいです。 出産準備は大変ですが、赤ちゃんが生まれると、それまでの生活が一変します。わからないことだらけで不安になるかもしれませんが、赤ちゃんとの暮らしを笑顔で迎えるために、できることから始めてみてくださいね。必要があれば、私もお手伝いさせていただきます。
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