リラックスするには、体の感覚の重要性を体験した出来事

先日、異なる2つの場所で対照的な体験しました。今回はその体験を通して、体の感覚がリラックスと関係が深いかお伝えしたいと思います。
先週近所の温泉施設を訪れました。そこでヘッドスパのサービスを見つけ、試してみることにしたのですが、案内されたのは、洗い場の横にあるアカスリなども提供しているスペースでした。入浴後、着替えずに施術を受けられる手軽さに魅力を感じ、申し込んでみました。
実際にその場所へ行ってみると、洗い場の延長のような場所でした。浴槽や洗い場と同じタイル張りの床に施術用の腰高さのベッドが置かれ、直接床に水を流しても良いような環境だったのです。いざ施術用のベッドに横たわると、人工レザーの硬い寝心地で、ヘッドスパにもかかわらず頭を支えるものがありませんでした。「頭をベッドから半分ほど出して横になってください」と言われ、言われるがままその姿勢になると、まず楽な姿勢ではありませんでした。何よりも、横たわったベッドがまるで病院の診察台のような硬さだったので、気分はまさに「まな板の上の鯉」。リラックスとは程遠い心境になりました。
同じ施設の別の場所では、アロマオイルマッサージや手もみなどのサービスも提供されており、そちらは着替える必要があるものの、お風呂上がりの体をゆっくり休ませることができます。今回利用したこのスペースは、確かに時短になり効率は良いのかもしれませんが、お風呂場の中でじめじめしていますし、床も壁もタイル張りで、なんだか閉じ込められているような感覚でした。リラックスには全く向いていないなと改めて感じたのです。
別の日、ヘアサロンに行った時のことです。そこで最初にシャンプーをしてもらったのですが、横になったシャンプー台のベッドがふかふかで、頭を支える部分もしっかりしており、思わず眠ってしまいそうなほどの心地よさでした。その時ふと、先日のヘッドスパの時のことを思い出し、背中に当たる感触一つでこんなにも気分が違うものかと驚きました。周囲の環境ももちろん違いましたが、目を閉じて横になった時の体の感覚は、雲泥の差でした。体に触れる部分の素材や機能といった感覚が、私たちの気分に大きく影響を与えているのだと体感できたのです。
ふんわりとした感触は緊張を和らげ、リラックスした気分にさせてくれます。そして、長時間横たわっていても不快感がありません。「まだ横になっていたい」と思わせるほどの心地よさでした。
このように、体の感覚は、そこにいる時の気分や行動にも影響を与えます。これらの出来事は、数日の間で体験したため、非常に鮮烈な印象として残りました。もちろん個人の好みもあるとは思いますが、このように一つ一つのデザイン、質感、色、照明、素材そのような環境に細やかに気を配ることで、より心地よい空間が実現できるのだと確信しました。このような実体験を共有しながら、インテリアや家具の提案をしていきたいと思いました。