新築戸建ての耐震強度、建築基準法の基準だから大丈夫??

こんにちは、中西です。今回は、先日出版した本の中から、ご紹介したいと思います。

それは、本当に出版する直前に参加したセミナーの学びで得た考えを書きました。そのセミナーの内容は、建築の構造についての理解を深めるものです。いつも内装やデザインばかりなので、構造についてもブラッシュアップできればと思い参加しました。

実は、セミナーに申し込んでみたものの、構造は苦手意識もあるため、「やっぱり行くのをやめようかしら」と思ったのですが、結果参加して良かったです。

今日お伝えしたいことは、構造、デザイン、希望のバランスを考えるということです。

ご存じのとおり、住宅は、機能として住む人の命を守る場所でないといけません。

そのためこんな風な部屋が欲しい、こんな家がいいという希望だけでなく、地震などに強くなるような構造計画も大切です。

しかし、建築基準法の基準以上であれば大丈夫と、言えないのです。

新築戸建の場合、確認申請を出します。そのとき守るべきルールとして建築基準法があります。

建築基準法に書かれている耐震の基準は、まれに耐用年数中に数回遭遇する(震度5強程度の)地震で建物が損傷しない、そして耐用年数中に1回遭遇するかもしれない(震度6強~7程度の)地震に対して人命が失われない強度が設定されています。

しかし、平成28年の熊本地震では、震度7の地震が同一地域で連続して発生しました。建築基準法の基準だと、耐用年数中に1回遭遇するという考え方です。

熊本地震を考えると、建築基準法の基準以上であれば大丈夫と言えない状況です。

さらに、7の地震に命を守ることを基準としているので、傾いていても基準を守っていることになります。家が高額な買い物と考えると、家を建てる立場から考えると地震のあともそのまま住み続けたいと思う気持ちがあるのではないでしょうか。

命を守っても、家が傾いてしまいそのあと住み続けられない、建て替えが必要な状況はなるべく避けたいと考えられる方も多いと思います。

そうすると、建築基準法以上の耐震性能が必要です。検討の目安となるのは、性能表示制度の耐震等級です。性能表示の耐震等級は、建築基準法より上の耐震性が求められています。

このような制度の内容を知った上で、家を建てるときに、どの程度まで望むかの選択を考える必要があります。

性能表示制度の耐震等級2や3となると、必要になる壁の量も多くなりますし、間取りの自由度は下がります。

土地や建てられる家の大きさの制限、そして予算や希望、構造的なことを全て反映させながら、一番満足度が高められる検討が必要です。

家づくりは、いくつものベターな案があり、その中の一番を選ぶのは施主です。ですが、何を選ぶか選択に迷うことも多いでしょう。どこまで備えるかの判断も難しいです。

まずは、周りの専門家にアドバイスを求めながら、判断するための良い情報を得てください。

その上で自分達の希望とともに、デザイン、構造のバランスを取れるところを探してください。

それでは、良い週末をお過ごしください。