第5回:実践基礎編「片付けの基本『出す・分ける・戻す』と魔法の箱」

中西八枝佳です。私の著書『10分で片付けられる部屋の整え方』をもとにお話しするブログ連載、第5回を迎えました。前回までは、片付けの目標設定や自分のリソース(時間・人・お金)の把握など、リバウンドしない土台づくりに欠かせない「準備」についてお伝えしてきました。
「よし、心構えはできた!」という皆さん、お待たせいたしました。
今回からはいよいよ、実際の「作業」に入っていきます!
私の本の第二章から、どんな場所、どんなモノにも通用する究極の基本動作と、作業の手を止めないための強力な味方「魔法の箱」についてご紹介します。
片付けの鉄則!「出す・分ける・戻す」の3ステップ
複雑に思える片付けも、分解すると「出して、分けて、戻す」という3つの単純な動作の繰り返しです。
家中のどこを片付けるにしても、必ずこの手順を守ってください。それが、最短で迷わずに片付けを終わらせる核心部分です。
- すべて「出す」
まずは、片付けたい場所(例えば引き出し1つ、棚1段)に入っているものを、すべて外に出します。
このとき、1つ1つ手に取って「これはどうしようかな?」と考えてはいけません。壊れるものでなければ、引き出しをひっくり返すくらいの勢いで、中身をゼロにする「全出し」がポイントです。いつも見慣れている風景も、一度すべて出して客観的に眺めてみることで、「なぜこんなモノがここにあるの?」という気づきが生まれやすくなります。
- 基準を持って「分ける」
3つのステップの中で、最も重要で、最もエネルギーを使うのがこの「分ける」作業です。
出したものを、以下の4つに迷いなく振り分けていきます。
「ここで使うもの(いる)」
「いらないもの(手放す)」
「別の場所に置くもの」
「分からないもの」
私はこの作業を、「網を使って砂と石とを振り分けていくようなイメージ」とお伝えしています。
「今の私」という基準の網を使って、不要なモノを振り落としていく。そうして残ったモノだけが、今のあなたの人生に必要なモノであり、快適な空間を作ってくれる要素になります。
- 必要なものだけ「戻す」
振り分けが終わったら、その場所に「いる」と判断したものだけを引き出しに戻します。
ここで、片付けが苦手な人が陥りがちな罠があります。
それは、「この段階できれいに収納しようとしてしまう」ことです。
今はまだ、美しく並べる必要は一切ありません。元にあった位置に、必要なモノだけを戻すだけで十分です。不要なモノがなくなるだけで、使い勝手は格段に良くなりますから、安心してください。「別の場所に置くもの」は、一旦仮置きの場所に移動させましょう。
作業スピードが格段に上がる!魔法の「分からないボックス」
モノを「分ける」とき、一番時間がかかるのは何だと思いますか?
それは、「手放すかどうか迷うモノ」の前で立ち止まってしまう時間です。
「いつか使うかも」「もったいない」「高かったし…」「人からもらったものだから…」
こうして思考がフリーズし、片付け自体に挫折してしまうのです。
そんな時に大活躍するのが、判断に迷うものを一時的に入れておく「分からないボックス」です。この箱を用意するだけで、片付けのスピードは驚くほど速くなります。「いらない」と決断するには勇気と時間が要ります。でも、迷ったときに「とりあえずこの箱に入れておく」という選択肢があれば、そこで立ち止まらずに、次のモノの判別へ進めるからです。いわば、思考の保留スペースですね。
「分からないボックス」を使いこなす3つのコツ
見た目のいい箱を用意する
この箱は、部屋の片隅にしばらく置かれることになります。普通の段ボールだと、まるで引っ越し作業中やゴミ置き場のように見えてしまい、テンションが下がります。部屋に置いても違和感のない、お気に入りのデザインの箱を選びましょう。
普段の生活場所から離す
迷うモノを、あえて普段使う場所(リビングなど)から離れた部屋や押し入れの奥に置きます。物理的な距離を置くことで、そのモノへの執着が薄れ、客観的な判断がしやすくなります。
期限を決めて見直す
箱に入れたものは、3か月後、半年後、1年後など、自分で期限を決めて再度見直します。例えば「1年間この箱から一度も取り出さなかった」という事実こそが、「今の私にはいらないモノだ」という判断材料になります。
どうしても捨てられない思い出の品などは、無理に手放す必要はありません。持っていることで自分が幸せな気持ちになるものは、決めた収納スペースからはみ出ない範囲で大切に保管しましょう。
【今日からできる!お片付けワーク】
「分からないボックス」を準備しましょう!
迷ったものを入れるお気に入りの箱と、その置き場所(少し離れた場所)を確保してください。
どこか「引き出しを1つ」、片付けてみましょう!
洗面所やキッチンなど、小さな引き出しを選び、「すべて出す→分ける→戻す」の手順を実際に試してみてください。
魔法の箱を活用して「分ける」スピードを上げれば、片付けはどんどん加速し、楽しくなっていきますよ。次回、第6回は「ルール作り編」。モノをむやみに増やさない、減らすための自分だけの「マイルール」の作り方をご紹介します。お楽しみに!



