トイレ・洗面所・居室の仕上げは一緒ではだめ?仕上げを統一するメリット

壁紙や床材をコーディネートを提案するとき、個人の持ち家の場合ですと、玄関からリビングへと続く動線は来客の目に触れる場所でもあるため、同じ素材で揃えることをお勧めするのが一般的です。一方で寝室などは、住む方の好みに合わせて素材を変えることもあります。

また、トイレや洗面所の床、壁、天井の素材は、他の部屋と分けるのが通例です。理由として、リビングにはフローリングが使われることが多いですが、木材は水濡れに弱いため、水回りにはクッションフロアやフロアタイルといった耐水性の高い素材を選定する必要があるからです。

しかし、今回の賃貸住宅の内装を提案したのですが、あえて居室から水回りまで、全ての素材を統一する提案をしました。

その理由は大きく分けて三つあります。一つめは、もともとリビングダイニングや寝室といった居室の床にも、水回りと同じ床材のクッションフロアを使用するという条件があったことです。

二つめは、空間の広がりです。お客様のお住まいに行くときも、洗面所の扉は開けっ放しで過ごされている方も多いです。朝の支度のときや洗濯の作業を考えると扉を開け放して使う方が便利だからだと思います。今回の間取りでは、洗面所は廊下に面していていました。開けっ放しで洗面所が見えることを考えると、廊下や居室と同じ仕上げにすることで、視覚的な繋がりが生まれ、部屋を広く感じさせる効果を狙いました。

三つめは、賃貸住宅としての運用効率です。素材を統一することで、工事の簡略化や材料ロスの削減だけでなく、発注の手間や施工ミスを減らすことを優先しました。個人の持ち家であれば貼り分ける楽しさもありますが、賃貸物件においては、こうした管理のしやすさが大きなメリットとなります。

居室に隣接する和室についても、壁や襖の紙を共通の素材で統一しました。ただし、単に選んだわけではありません。既存の枠の色や設備と調和するよう、慎重に色を選定しています。 特に経年変化で黄ばみが出ている建具があったため、あえて少し黄色味のある壁紙を合わせることで、古さが目立たないよう調整しました。

さらに床のクッションフロアも、壁紙の色に馴染みつつ、今の流行に合う雰囲気の木目調を選んでいます。クッションフロアは汚れが目立ちやすい側面もありますが、今回は賃貸物件ということもあり、少しの汚れであれば目立ちにくい色味と柄を選定しました。

これから工事が始まります。完成した際には、仕上がりの様子を写真でお伝えできればと思います。