『なりたい自分』は見えていますか?未来を描くための「賢いリスク」の取り方

漠然とした不安で、新しい一歩を踏み出せない。挑戦したいことはあるけれど、失敗が怖くて動けない。そんな風に感じたことはありませんか?「リスク」と聞くと、私たちはつい避けるべきものだと考えてしまいがちです。しかし、もしリスクが「なりたい自分」に近づくためのコンパスだとしたら、どうでしょう。

最近読んだ、アリソン・シュレーガー著 中口秀忠訳
『リスクテイクの経済学~気鋭の学者と現場で探る、賢いリスクの選び方~』
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は、まさにそんな視点の転換を迫る一冊でした。売春宿、製品企画、映画業界や、パパラッチ、マジシャンなど様々な職業の人を取材しながら、いかに彼らがどのようにリスクを取り、どのようなリスクを減らしているのか、様々なストーリーとともにリスクの取り方フレームワークを知ることができる本でした。

この本が突きつける最も重要な問いは、「あなたは、何を本当に求めているのか?」そして、その先にある「どんな自分に、なりたいのか?」という点です。

なりたい姿が曖昧なままでは、どんなリスクが自分にとって取るべきリスクで、どれが避けるべきリスクなのか判断できません。単にリスクをゼロにすることが、最良の選択とは限らないのです。

例えば、怪我や事故を恐れて「家にずっといる」ことを選べば、確かに安全かもしれません。しかし、それは新しい景色に出会い、新たな価値観に触れることで「成長した自分」になる可能性を、自ら手放していることにもなります。

私は最近ゴルフ場に行くことが多いのですが、ここにもリスクの選択がありました。ゴルフ場へは、車で移動することが多いので、交通渋滞のリスクについて考えないといけません。

同伴者と楽しくプレーすることを最優先の目標、つまり円滑な人間関係を築ける自分でありたいと考えるなら、遅刻のリスクは絶対に避けたいはず。だから、眠さを我慢して、早朝に出発して余裕をもって到着するという選択をします。

一方で、限られた予算で趣味を楽しむことを目標なら、料金が安い時間帯を狙い、多少の渋滞は覚悟するというリスクを取るかもしれません。

日常の些細な選択も、このような、自分のやりたいことや価値観、想定できるリスク、とる価値のあるリスク、リスクを最小限に抑える方法という切り口でみてみると、いろいろと発見がありそうです。

「なりたい自分」という羅針盤があることで、私たちは取るべき最適なリスクを選ぶことができるということが最大の学びです。

今後は、自分の達成したいことと、想定できるリスクを考え、「そのリスクを最小限に抑え、最大の成果を得るにはどうすればいいだろう?」ということを考えて、上手にリスクをとれるようになりたいと思います。