家具・収納の素材とメンテナンス

よくある家具・収納の素材

ダイニングテーブル、食器棚、造作家具などによく使われる素材の種類とメンテナンスについて紹介します。長くつかうものであればあるほど、メンテナンスにはどのような手間が必要なのか知って、吟味することが大事です。

無垢、突き板(スライスした木を貼り付けしたもの)などがあります。どちらの場合も、水気の取り扱いには注意が必要です。濡れたらすぐ拭くようにしないと、無垢材の場合はシミ、さらに突き板の場合は継ぎ目反りや割れの原因になります。表面にウレタン塗装しているものは、お手入れが楽です。木の質感を感じたい場合は、無垢と自然塗料の組み合わせがおすすめですが、デメリットとしてこまめなメンテナンスをしないときれいな状態が保てません。後ほど記載している塗装についても合わせて確認してください。

メラミン化粧板

プラスチックの板です。表面が硬く、傷がつきにくいです。木目や石目、色柄などが豊富です。キッチンの扉や、食器棚の天板に使われます。水に濡れたまま放置しますと、水滴(ミネラル成分)による落ちにくい水垢付着の原因となりるので、水滴が残らないように拭くことが大事です。お手入れは、水拭き。汚れが取れない場合は、中世洗剤を薄めたもので拭きとり、その後も水拭きをしてよく拭きとります。

ポリ合板

ポリエステル樹脂化粧合板。合板の表面に化粧紙を貼ったものに、樹脂やフイルムで加工されたもの。表面は硬いけれど、メラミン化粧板ほどではなく、傷つきやすい。家具などに使われる。紫外線に当たると退色する可能性がある。基本は乾拭き。収納本体、棚などに使われています。

ガラス

汚れても拭き取りやすいというメリットがあります。ガラスのテーブルは、小さいお子様がいるご家庭ではあまり好まれません。角でぶつかると危ない、何かをぶつけると割れそうという理由です。透明なガラスは足元が透けるので、気になる場合はフロスト加工している商品が良いです。

木の塗装とメンテナンス

木の素材の場合は、塗装の種類にも目を向けましょう。メンテナンスの方法や、日々の手入れの仕方が変わります。無垢の天板で自然オイル仕上げのものは、時々オイルを塗ってあげる必要があり、ウレタン塗装されているものはそのようなメンテナンスは必要ではありませんが、長い年数を考えると塗装が劣化してきます。木の肌触りを楽しむのであれば無塗装のまま使うのが良いのですが、汚れやすいので、木を保護するために塗装するのがおすすめです。塗料には、膜をつくる種類と、浸透するものがあります。膜をつくるものは、木部の保護するとき、浸透するものは、木部のテクスチャを活かしたいときに使われます。膜をつくるものは、ラッカー仕上げ、ウレタン塗装、ポリエステルなどです。家具では、ウレタン塗装が良く使われています。

ウレタン塗装

ウレタン塗装は、ポリウレタン樹脂を主原料とした透明塗料。表面に硬い膜をつくり、耐汚性、耐熱性が高いです。自然塗料のように定期的なメンテナンスは必要ありませんが、年数が経つと塗装が劣化します。また、傷がつくと白く目立ち補修は困難です。水濡れは、しみになるので、すぐ拭き取りましょう。塗膜が劣化した場合は、工場に引き取ってもらい再塗装することは可能ですが、運送費も含め費用はそれなりにかかります。普段のお手入れは、柔らかいきれいな布で乾拭き。汚れが落ちない場合は、ぬるま湯に中性洗剤を薄めて、硬く絞ったきれいな布で拭いてください。湿った状態にしないように、水分をふき取りましょう。ビニールやガラスを長時間敷くのは、塗装が変色する可能性があります。

オイルフィニッシュ、オイル塗装

植物系オイルを主原料とする自然系塗料。膜をつくらないので、木の質感や風合いを楽しめる仕上げです。反面、傷や汚れがつきやすいです。しかし、オイルを塗ることで、新品のような輝きを取り戻すことができ、自分で簡単にメンテナンスができる手軽さもあります。オイル塗装のものは、艶が無くなってきたら、汚れやほこりを取り、オイルやワックスを塗るお手入れをします。オイルやワックスを塗布することで、木の艶が戻ります。オイル系のものは浸透して内部から保護します。膜をつくらないので、木も呼吸でき、木そのものの感触がのこります。ワックスは木の表面に膜をつくるので、傷や汚れを防ぎますが、手触りが変わります。いろいろ種類があるので、使いやすいものを探しましょう。水濡れは、すぐ拭き取らないとしみになります。

椅子やソファの張地の種類とメンテナンス性

汚れることが心配であれば、カバーリング対応のものをおすすめします。事前に替えカバーの費用も調べておくと安心です。カバーリング対応のソファや素材を選びましょう。カバーリングタイプでないものでも、パーツを取り寄せて入れ替えできるようなタイプもあります。どのようなメンテナンスをすれば良いか、購入先に確認してみましょう。

汚れが取れない可能性があります。汚れが目立つ生地は、カバータイプ、撥水加工のあるものを選びましょう。撥水加工は、経年劣化で撥水性が落ちる場合があります。最近、撥水加工の生地も増えています。カバーリングタイプだと、汚れたときに交換できますが、替えカバーの価格はまちまち。ソファを買えてしまうものもあるので、あらかじめどのぐらいの費用がかかりそうか調べておくと安心です。

革専用のメンテナンスオイルなどでお手入れが必要です。何かこぼしたとき、シミになる前にふき取とりましょう。摩擦が多い箇所は、経年劣化で脆くなってしまうことも。革張りは張り込みでつくるため、工場に引き取る方法で張替えは可能ですが、運送のコストはかかります。

人工の革

本革より劣化が早いです。摩擦で色がついたり、ひっかき傷などで破れてしまったりする可能性があります。人工の革は、革と同じように張り込みでつくるため、張り替えは工場に引き取りが必要です。

人工スウェード

ひっかき傷に強く、はっ水加工がされているものがつくられていて、小さな子どもがいる方や、ペットを飼っている方に選ばれています。カバーリングタイプでも対応できることがメリットです。

それぞれ、メリットデメリットがあります。それぞれの特徴を知りつつ、自分の生活に合うものをお選びいただくのが良いと思います。