小さなサンプルと実物のギャップ。学生たちと巡るインテリアショールーム

中西です。今日は、仕事のお話し。私は週に1度、インテリアデザインを学ぶ学生たちの授業を担当しています。 担当しているのは、インテリアコーディネートを提案するプレゼンテーションの授業です。今回はその授業の一環として企画した、ショールーム見学の様子をお届けします。

「小さなサンプル」と「実物」の大きなギャップ

今回の見学は、マテリアル(素材)を中心に計画しました。壁紙や床材などを実際の商品として見ることで、学生たちの計画がよりリアルになることを目指しています。中でも特に重視したのが、壁紙やカーテンのショールームへ行くことです。

学生たちは、小さなサンプル帳で色や柄を選びます。サンプル帳が無い場合は、ウエブ画面で選んだりもします。しかし、壁紙やカーテンなどは、小さなサンプルで見ているのと、実際に壁に貼られたり窓辺に掛けられたりした時とでは、見え方や人の感じ方が全く違います。

小さなサンプルでイメージしたものが、大きな面積で見た時に「思ったより派手だった」「色が薄く感じる」といった「ギャップ」は、多々起こります。これは「面積効果」と呼ばれる現象で、インテリアにおいて非常に重要な感覚です。

経験を積んでいればある程度は想像できるようになりますが、それでも私たちプロであっても、大きなサンプルを見ることは欠かしません。学生たちには、実際の大きなサンプルを見ることの大切さ、そして見る大きさで印象や自分の感覚が変わるということを、身をもって確認してもらいたい。その思いで、壁紙のショールームへ行くようにしています。

都内のショールームを五感で巡る

学校が八王子にあるということもあり、せっかく都内のショールームに行くのであれば1カ所ではもったいない!ということで、合計3箇所を巡る計画を立てました。

まず向かったのは、リリカラのショールです。先ほどお話ししたように、今回の課題であらかじめ選んでもらっていた壁紙やカーテンを大きな面積のサンプルで確認してもらい、もしイメージと違うようなら別の商品を探すという時間をとりました。

お昼をはさんで、次に向かったのはLIXILショールームです。学生たちも自分の家などでキッチンやバスルームなどの設備は見ていると思いますが、ショールームで多彩な商品を一堂に見ることで、自分の知らないプロダクトが世の中にはたくさんあるということを理解してもらいたい。 これから仕事をしていく上で、多くの商品に触れておくことは必ずプラスになります。

最後に向かったのは、新宿にあるリビングデザインセンターOZONEです。ここには建築、インテリアの設備、マテリアル、家具など、数多くのショールームが集まっています。 この複合施設の中から、素材や特に私が学生に知ってもらいたいマテリアルなどをピックアップし、数か所みてもらいました。

学生時代にこそ「本物」に触れる時間を

合計3箇所のショールーム巡り。 普段歩き慣れていない学生たちにとっては、かなり疲れたようです(笑)。でも、心地よい疲労感と共に、多くの刺激を受けてくれたのではないでしょうか。

学生の間は結構時間があるように思えますが、意識して家具や商品を見に行く時間を作るのは、なかなか難しいものです。 だからこそ、このような機会を通して、多くの商品やショールームに触れ、そして実際に商品を見ることの大事さを感じ取ってもらえるといいなと思います。

実は、今年はこれに加えて、もう1日ショールームを回って経験を増やしてもらう機会を設けます。 次回は家具や照明を見てもらいます。今回初めての企画なので、うまくいくか、また少し詰込みすぎたきらいもあるので、学生の反応や疲れ具合なども気になるところですが、今から楽しみにしています。

実物を五感で感じる経験こそが、未来のインテリアデザイナーたちの確かな「引き出し」になると信じています。