『HIDDEN POTENTIAL 可能性の科学』を読んで 成長のために不快さを受け入れる

アダム・グラント氏の著書『HIDDEN POTENTIAL 可能性の科学』を読みました。この本は、私たちが秘めている可能性をいかに引き出すかについて、多くの事例とともに説いた一冊です。特に心に響いたのは、「不快さ」についての考え方でした。

語学の達人に学ぶ「不快さ」の価値

本書の中で紹介されているサラ・マリアという女性のエピソードが、非常に印象的です。彼女は若い頃、自分には語学の才能がないと思い込んでいました。しかし、あるきっかけから多くの言語を操れるようになります。彼女が言語を習得できた理由は、シンプルですが勇気のいることでした。それは「失敗を恐れず、新しい言語で話すこと」です。

学習において、自分が快適だと思える方法は、実はあまり役に立っていない可能性があり、むしろ、不快感や恥ずかしさを感じる状況に飛び込み、失敗を重ねることこそが、最も効果的な学習法であると本書は述べています。準備が整うのを待つのではなく、不快さを増幅させる行動を起こすことが、成長を加速させるのです。

ゴルフの上達を妨げていた「快適な練習」

この話を読みながら、私は最近取り組んでいるゴルフのことを思い出しました。2年前ゴルフの練習グループの会に参加することを目指して練習を続けてきましたが、なかなか上達せずに悩んでいたのです。

当初の私は、週に1、2回、屋内のゴルフスクールに通っていました。短いクラブはある程度打てるようになったものの、実際のコースに行くと上手くいかず、ただ走り回るばかり。それでも「練習を重ねればいつかは」と思い屋内練習場に通い続けていました。しかし、1年経っても成長が見えません。自分なりに成長しない原因を考え、芝の上での経験が足りないのではと思い、車で1時間かかるラウンドレッスンへ通うことにしました。

環境を変えて気づいたこと

ラウンドレッスンは、私にとって非常に「不快な状況」でした。ラウンドレッスンは、4人で一緒にまわります。上手く打てずに周りに迷惑をかけたらどうしよう、下手で恥ずかしい、という思いから毎回ヒヤヒヤして参加していました。しかし、回数を重ねるうちに、、毎回違う人と回る不快感に慣れていく自分に気づきました。また回を重ねるごとに、ショートコースではありますが、芝や砂の上、上り坂や下り坂の高低差、風や天気に合わせてどう行動するといいかなど、対応力がついてきたと感じました。

不快さの先にある、わずかな希望

練習を始めて2年。ついに目標だったゴルフ練習会に参加しました。初対面の方もいる中でのプレーは、私にとって決して楽しいと言える状況ではありませんでした。スコアも振るわず、ボールは左右に散らばり、手に汗握る緊張の連続です。正直に言えば、終わった後は「疲れた、悔しい」という思いが強かったです。それでも続けて参加しました。思ったようにうまく打てない、一緒にラウンドしている人に迷惑をかけるかもしれないという心配とともに、上手い人と一緒にまわらないといけないという緊張感という不快な状況に身を置き続けたことで、自分も成長し、少しずつその練習会でもリラックスしながら参加できるようになりました。

先延ばしは「心の問題」である

本書では、先延ばしの原因についても触れられています。先延ばしは時間の管理不足ではなく、実は「不快な感情」を避けようとする心の問題なのだそうです。確かに、好きなドラマや漫画のためなら、どんなに忙しくても時間を作ります。一方で、写真の整理や機種変更など、手間や失敗が予想されることは後回しにしてしまいがちです。「不快な状況こそが自分を成長させてくれる」と理解していれば、嫌なことを後回しにする習慣も少しずつ変えていける。そんな気づきを得ることができました。

自分にとっての成功を描く

最後に、心に残ったのは「成功の定義」についてです。何かをやり遂げるには情熱が必要です。そして、その情熱を持ち続けられるものとは、しばしば「夢」と呼ばれます。他人からの評価ではなく、自分にとっての成功とは一体どのような状況なのか。あらためて自分の内側で見つけることが、自分の可能性を引き出し、やり遂げる力になってくれると感じました。

本書の最後は、このようなエールで締めくくられています。

「昨日より少しでも成長しようと、ひたむきに努力し続ける情熱こそが、何よりも尊い。自分自身の中に秘められた可能性の扉を開き、羽ばたかせること以上に素晴らしい成果など、この世には存在しないのである。」

完璧を目指すのではなく、不完全な自分と不快な状況を受け入れること。これからも何かを学びたいときは、恥をかくことを恐れず、その渦中へ飛び込んでいきたいと思います。この本には、考えさせられる内容がありました。よければ、本やオーディオブックで聞いてみてください。

アダム・グラント氏の著書『HIDDEN POTENTIAL 可能性の科学』